INTORODACTION

カンヌ・ヴェネチュア・ベルリンの世界3大映画最高賞をはじめ世界各地で数々の映画賞を受賞し、アメリカの俳優から“最も尊敬される映画作家のひとり”“20世紀最後の巨匠”とも称された ロバート・アルトマン。 2006年11月20日、がんによる合併症のため81歳で惜しくも逝去したが、 本作『ナッシュビル』(75年)はカンヌ映画祭パルムドール受賞作『M★A★S★H』(76年)や ベルリン金熊賞に輝く『ビッグ・アメリカン』(76年)など、年に1、2本ペースであふれる着想を 映画化していった黄金期ともいえる70年代の伝説の作品だ。

舞台はアメリカで最も保守的な町といわれ、 カントリー&ウェスタンの聖地でも知られるナッシュビル。ここには歌手として、ミュージシャンとして成功しようという野心を持った男女が全米から集まってくる。 映画はオープリーという有名なナッシュビルのフェスティバルに係る24人もの人間ドラマを、 フェスティバル期間中の数日間を通して描いてゆく。しかもドラマと並行して政治への問題意識や 人種差別、お祭り化した選挙キャンペーン、民衆のエネルギーなど、当時のアメリカ社会の意識のありようが浮かび上がる周到な物語だ。 この映画は、アルトマンの遺作となったラジオ音楽バラエティの舞台裏を描く『今宵、フィッツジェラルド劇場で』(2006年)やジャズの世界を描いた 『カンザスシティ』(96年)に先立つ、アルトマンの音楽ドラマの原点といえるだろう。24人ものオールスター・キャスト、カントリー&ウェスタンという音楽の力、「グランド・ホテル形式」でありながらそれぞれのエピソードがクライマックスへと結実する物語の映像化に成功した驚くべきスタイル、 そして選挙の宣伝カーが流すコメントから男女の諍いに至るまで、相変わらずセリフも演出も細やかで乾いた、ブラック・ユーモア満載の アルトマン節……。

『ナッシュビル』は素晴らしい内容でありながら公開当時は今ほど情報化社会ではなかったためか、また2時間40分という上映時間もあって日本では 3週間で打ち切りになったといういわくつきの作品だ(劇場公開:1976年4月3日~4月23日/有楽町スバル座ほか1館/動員数:1万7410人/ 興収:¥18,815,800)。 その後、公開される機会もほとんどなく、現在もDVD化されていないため、アルトマン・ファンでさえ目にすることがなかなか 難しい、カルト的人気を誇る幻の作品なのである。 自伝によれば『ナッシュビル』製作のきっかけは前作『ボウイ&キーチ』(74年)の予算をユナイテッド・アーチストに出してもらうための引き換え条件 だったという 本人はナッシュビルには一度も行ったことがなく、カントリー&ウェスタンに興味を持っていなかったため、脚本家のジョーン・テュークスベリーを ナッシュビルに向かわせ、そこで起きた出来事を日記に付けさせた。彼女は『ギャンブラー』(71年)『ボウイ&キーチ』(74年)でも脚本を手がけた アルトマン一家の一人。そのエピソードをつなぎ合わせてドラマを作りあげたそうだ。

撮影はナッシュビルで10週間にわたって行われた。その間、スタッフ、キャストは全員同じモーテルに泊まり、ほとんどの時間を一緒に過ごすという アルトマンのいつもの撮影スタイルで行われた。同じひとつの映画に携わるスタッフ、キャスト全員が和気あいあいとした中で自然に演技ができる 雰囲気を作り上げることによって、個々の俳優たちの自在なアドリブ演技を生む――役者にとってはそれこそがドキュメンタルな、 アルトマン映画ならではの面白さ、なのだろう。ギャラに関係なく、アルトマン映画への出演を渇望する所以である。

豪華なキャスト陣はブロードウェイの実力派女優バーバラ・バックスリーや『華麗な)ジェラルディン・チャップリンをはじめ、 『M★A★S★H』や 『ギャンブラー』(71年)『ロング・グッドバイ』(73年)などにも顔をみせていたアルトマン一家の俳優というべきキース・キャラダイン、シェリー・デュバル、マイケル・マーフィ、バート・レムゼン、デビッド・アーキン、ティモシー・ブラウン、ヘンリー・ギブソン、 ジェフ・ゴールドブラム、グエン・ウェルズ、 キーナン・ウィンなどがドラマを支えている。 後に『ザ・フライ』(86年)や『ジュラシック・パーク』(93年)で有名になるジェフ・ゴールドブラムはこれが 初めての本格的な映画出演作。また『羊たちの沈黙』(91年)のクラリスの上司役を演じたスコット・グレンや『ブルース・ブラザース』のネオナチの リーダー役で知られるヘンリー・ギブソン、そしてこれが映画デビュー作となったアメリカを代表するコメディエンヌ/リリー・トムリンやハリウッド映画に 欠かせないバイ・プレイヤーとして活躍するネッド・ビーティなど、思わぬスター探しも楽しめる。 また『M★A★S★H』で人気を博したエリオット・グールドと『ダーリング』(65年)でアカデミー主演女優賞を獲得したオスカー女優ジュリー・クリスティーもカメオで登場した 映画の全編を彩るカントリー&ウェスタンの歌のほとんどはカレン・ブラック、キース・キャラダインをはじめとする主演俳優自身が作詞・作曲したもので、サントラ盤も発売され、キース・キャラダインの歌った“I am Easy ”はアカデミー最優秀歌曲賞を受賞した。 なお、この映画の主演俳優たちのギャラは一律1000ドル前後だったといわれている。

STORY

アメリカで最も保守的な土地柄で知られるカントリー&ウェスタン(C&W)の聖地、 テネシー州の首都ナッシュビル。今日もガレージからハル・ウォーカー大統領候補のキャンペーン・カーがメイン・ストリートへ走り出し、蒸し暑い初夏の一日が始まった。 音楽スタジオではナッシュビルの大スター、ヘブン・ハミルトン(ヘンリー・ギブソン)が レコーディングの最中。隣のスタジオでは白人リードシンガーのリネア(リリー・トムリン)が黒人の ゴスペルグループを従え、ゴスペルを熱唱していた。ナッシュビル・フェスティバルの取材に来た イギリスBBCのレポーター、オパール(ジェラルディン・チャップリン)は初めてのアメリカ、 初めてのナッシュビルに興奮気味。マイク片手に町のあらゆる場所で取材する彼女はさっそく ヘブンのスタジオにも潜り込むが体よく追い出されてしまう。

ヘブンは大スターに相応しい完ぺき主義者で気難しく、病的といえるほどの潔癖症。いつも息子のバッド(デイブ・ピール)やナッシュビル目抜き通りの クラブ「ピッキン・パーラー」を経営している名物マダム/レディ・パール(バーバラ・バックスリー)を従え、保守的で健全な“ミスター・ナッシュビル”の イメージをかたくなに守っている。 そんなヘブンをテネシー州知事に推挙しようと画策しているのが、近くこの町でキャンペーンを予定しているハル・ウォーカー大統領候補である。

さて、ナッシュビル空港ではフェスティバルに出演するため故郷に帰ってくる地元出身のバーバラ・ジーン(ロニー・ブレークリー)の到着を待ち構え、 セレモニーの準備が着々と進んでいた。バーバラは人気歌手コニー・ホワイトと人気を二分する地元の大スターだ。 空港内のカフェではナッシュビルに流れ着いたイージーライダー(ジェフ・ゴールドブラム)が塩を使ったマジックでスタッフのウェイド(ロバート・ドキ)を 驚かし、ウェイトレスのスーリーン(グウェン・ウェルズ)は彼に自慢の歌を歌ってみせる。そんな光景を眺めているのはウォーカー大統領候補の キャンペーンを成功させるべく奔走する地元の大物弁護士デル・リーズ(ネッド・ビーティ)だ。 彼はキャンペーン参謀のジョン・トリプレット(マイケル・マーフィ)を出迎えに来たところだった。

デルとトリプレットが握手を交わす脇で一人、人待ち顔で立っているのはL.A.ジョーン(シェリー・デュバル)。 入院中の伯母のお見舞いに来たはずなのだが、ホルタ―トップふうの胸当てとホットパンツ姿という裸同然の奇抜な恰好で、迎えに来た伯父の ミスター・グリーン(キーナン・ウィン)とまともな挨拶もかわさないまま、すれ違った人気ロックグループ“ビルとメリーとトム”のスター、 トム・フランク(キース・キャラダイン)にサインをねだる始末。空港内のレコードショップでは ビル(アラン・二コルズ)とメリー(クリスチナ・レインズ)が ナッシュビルに自分たちのアルバムがあるかどうかをチェックしているかと思えば、バーバラを追い掛け回す若いGIグレン・ケリー(スコット・グレン)の 姿もみられ……

いっぽう滑走路ではバーバラを迎えるためにセレモニーが準備され、ヘブン、息子のバッド、レディ・パールが到着した。 彼女を選挙キャンペーン・コンサートに出そうと画策するトリプレットと弁護士デルもセレモニー会場にやってきた。 ブラスバンドの演奏が始まり、バトントワラーが到着したバーバラを出迎える。故郷に錦を飾り、スピーチを終えたバーバラだが、ファンサービスをしようと歩き始めた途端、気を失って倒れてしまう。抱きかかえる夫のバーネット(アレン・ガーフィールド)、騒然とする会場……

バーバラは神経が細く、コンサートをたびたびキャンセル。そして、そのせいでますます過敏になっていた。 騒動もひと段落すると、空港の駐車場では大統領候補のキャンペーン・カーが回るなか、トリプレットとデル、伯母の見舞いに行くはずのミスター・グリーンとL.A.ジョーン、カフェで働くウェイドと スーリーン、そしてロックグループの“ビルとメリーとトム”が鉢合わせ、それぞれが車で町中へ向かおうとしていた。 だが、途中のハイウェイで交通事故が起こり大渋滞。蒸し暑いなかアイスクリーム売りも登場して、渋滞が解消されるまで思い思いに過ごす人々がいた……そのなかにはバイオリン・ケース一つで家出してきたマザコンのケニー・フレイザー(デビッド・ヘイワード)、カントリーシンガーを夢見てテネシーの故郷を飛び出したアルバカーキ(バーバラ・ハリス)、彼女を連れ戻そうとする夫スター(バート・レムゼン)、黒人でありながらC&Wで認められたスター歌手 トミー・ブラウン(ティモシー・ブラウン)もいた。同乗していたリネアの車で渋滞につかまったBBCのオパールは巨大な国アメリカならではの 混乱状態に興奮し、さっそく現場で取材を始めるが……

その夜。C&W、ブルーグラスの名物クラブ「ピッキン・パーラー」ではヘブンとレディ・パールが見守るなか、客席ではトミー・ブラウン、ビルとメリー、 マザコンのケニー・フレイザーがご機嫌なライブ演奏を楽しんでいた。だが、レディ・パールがトミーを紹介すると客席から「白い黒人」と声がかかり、 客同士が乱闘騒ぎに。いっぽうディーマンズの店では胸にパッドを差し込んで大きく膨らませ、ドレスで着飾ったスーリーンやトム、イージーライダー、 バッド、L.A.ジョーン、アルバカーキ、アルバカーキの夫スター、取材中のオパールたちがいた。

ステージで歌うチャンスを得たスーリーンだが、調子っぱずれの歌に客は大ブーイング。 そこへデルとトリプレットから店に電話が入り、スーリーンは選挙キャンペーンのステージに出ることになる。バッドと一緒にディーマンズに来ていたL.A.ジョーンは変装してバッドを出し抜き、今度は イージーライダーを手なずけて病院に送ってもらう。いっぽうトムはBBCのオパールの取材を適当にかわして以前スタジオで出会ったリネアを電話で口説く。体よく断るリネア。実は彼女はデルの妻で、二人の聾唖の息子を抱える母でもあった。

翌日。今日も大統領候補のキャンペーン・カーが町中を回っている。部屋を探していたケニーは広告で見つけたミスター・グリーンの家に下宿することに。トムはベッドから裸のオパールを追い出し、 リネアに電話する。伯母の見舞いについて来たL.A.ジョーンはバーバラの病室に心配して入り込んだGIのグレンをナンパしていた。 郊外のハミルトンの家ではパーティが始まっていた。イージーライダーのバイクでBBCのオパールとアルバカーキがやってきた。さらに有名人専門の ハイヤー運転手ノーマン(デビッド・アーキン)の運転で俳優エリオット・グールド(本人)も登場。トリプレットはウォーカー大統領候補がヘブンをテネシー州の知事に考えていると話し、絶大な人気と信頼を誇るヘブンをキャンペーン・コンサートに引きずり出そうと画策していた。

夜のコンサート。ステージではトミー・ブラウン、ヘブン・ハミルトン、コニー・ホワイト(カレン・ブラック)が華麗に歌を披露するが、ラジオでコンサートの様子を聞いていた病室のバーバラはコニーの歌に動揺し、夫のバーネットと口論になっていた コンサートが終わってクラブでくつろぐ出演者の席には ナッシュビルに来ていた女優のジュリー・クリスティ(本人)が挨拶に現れる。レディ・パールはBBCのオパールにケネディを応援していたころの話を、ビルは妻メリーの浮気を疑い、キャンペーン・コンサートを成功させることしか頭にないトリプレットはさらに大スターのコニーも巻き込むことを考え始める。 そしてメリーはトムのベッドの中。だが「愛してる」と何度囁いてもトムの返事はなかった……

翌日。バーバラは車いすに乗って教会で歌い、オパールは廃車置き場でレポート。 カーレースの会場に繰り出すヘブンとレディ・パール、バッド。レースカーがエンジンをふかすなか、コース脇のステージでアルバカーキが歌を歌う。 ビルとメリーが昨夜のことで夫婦喧嘩をしていると、トリプレットがキャンペーンのコンサートの出演依頼に訪れる。ビルは乗り気だが、 メリーはトムが断るだろうと予測する。病院ではバーバラが退院。すれ違いに言葉を交わしたミスター・グリーンは受付で妻の死を知り衝撃を受ける。

野外コンサートではバーバラがステージに復活。舞台裏ではデルとトリプレットがバーバラの夫 バーネットにウォーカー大統領候補のキャンペーン・コンサートへの出演を依頼するが、 政治的なコンサートには出さないと断られる。いっぽうステージでは順調に歌っていたバーバラが 突然、歌を歌わずに長々とおしゃべりをはじめ、バーネットがステージから降ろして大ブーイング。 困ったバーネットは会場を鎮めるため、バーバラがキャンペーン・コンサートで歌うことを観客に約束してしまう。

リネアをあきらめきれないトムは再び電話し、今夜のステージを見に来てほしいと頼む。その夜。 迷いながらもライブハウスにやってくるリネア。トムはビルとメリーと一緒に歌った後、 リネアの前で、彼女にささげる歌を歌う。心を動かされたリネアはトムとベッドを共にするが、 帰宅の準備を始めるとトムは目の前でほかの女性に電話をかけ始めた。いっぽうウォーカーの支持集会では男性客の前でスーリーンが調子っぱずれの歌を歌い、ストリップをする羽目に。落ち込むスーリーンの心の支えはストリップと引き換えに手に入れたバーバラとの共演だった。

翌日。ウォーカー大統領候補の野外コンサート。 政治色をなくす約束だったがステージ上に掲げられたウォーカー候補の横断幕にバーネットが 激怒。トリプレットと口論するが、会場にはすでに大勢の観客がつめかけていたため、 結局バーバラはヘブンとデュエットを披露する。続いてバーバラが一人で素晴らしい歌を歌い、 観客は陶酔するが、その時、銃声が起こり、予期せぬ惨事が起きた……

ROBART ALTMAN(Derector/Producer)

ロバート・アルトマン(製作・監督)

人々が映画に抱く枠組みを超越した作品でつねに観客の思 考を刺激し続けた映画作家。『M★A★S★H』 『ナッシュビル』『ザ・プレイヤー』『ショート・カッツ』『ゴスフォード・パーク』とアメリカのアカデミー監督賞史上最多の5度のノミネートに輝 いた作品群が、その非凡な才能を物語っている。 残念ながらオスカー受賞はかなわなかったが、賞と無縁だったわけではなく、『M★A★S★H』ではカンヌ国際映画賞のパルムドール、『ショート・カッツ』ではヴェネチア国際映画祭金獅子賞、『ビッグ・アメリカン』でベルリン国際映画祭金熊賞と世界の3大映画祭で最高賞を獲得。『ゴスフォード・パーク』でもイギリスのアカデミー作品賞に輝くなど、数多くの受賞歴を誇る。 2006年には第78回アカデミー名誉賞を受賞。同年11月20日、がんによる合併症で逝去した。

1925年2月20日ミズーリ州カンザスシティー生まれ。ミズーリ大学を卒業後、 第二次大戦では空軍パイロットとして従軍したが、ハリウッド近くの町に駐屯していたため映画業界に憧れを抱き、脚本を書き始めたといわれる。除隊後はミズーリでCMディレクターやラジオの脚本を書いていたが、50年代後半、 ハリウッドで自主映画を製作。そのうちの1本『ジェームズ・ディーン物語』(57)が巨匠アルフレッド・ヒッチコックの目に留まり、TVドラマ「ヒッチコック劇場」「コンバット」の演出を任された。その後「ボナンザ」「コンバット」などTV作品を手掛けた後、1963年には独立プロダクションを設立、1968年には 初の監督作品『宇宙大征服』を発表した。しかしこの作品で「俳優に同時にセリフを言わせた」として制作会社のジャック・ワーナーと対立、大幅な編集を余儀なくされた。しかし、そのドキュメンタルな構成こそアルトマンの真骨頂である。アルトマンはそのスタイルに磨きをかけ、 70年の『M★A★S★H』でついにカンヌのグランプリを獲得、その後ニューシネマの傑作として名高い71年の『ギャンブラー』などで新しい西部劇の スタイルを生み出すなど、ハリウッドでも注目されるようになった。

アルトマンの作品群は多彩である。上記作品のほか、メロドラマ風ギャング映画の『ボウイ&キーチ』(74)、フィルムノワールの『ロング・グッドバイ』(73)、伝記映画『ゴッホ』(90)、推理劇『ゴスフォード・パーク』(0)といったジャンルだけでなく、描かれる世界も『M★A★S★H』(70)の朝鮮戦争、『ナッシュビル』(75)のカントリー&ウェスタン、『ポパイ』(80) のコミック、『フール・フォア・ラブ』(85)の現代演劇、『ザ・プレイヤー』(92)の ハリウッド、『ショート・カッツ』(94)の文学、『プレタポルテ』(94)のパリコレ、『ゴスフォード・パーク』(01)の貴族社会、『バレエ・カンパニー』(03)の バレエ、『今宵、フィッツジェラルド劇場で』(06)のラジオなど、作品ごとに舞台をかえている。また、『ナッシュビル』や『ショート・カッツ』のような 「グランド・ホテル形式」のアンサンブル劇では俳優たちのアドリブを存分に引き出す演出に俳優からの期待は高く、全作品を通して、取り上げる音楽のセンスはもちろん、多元的なサウンドトラックやズームレンズの導入など、映画技法の革新性も高く評価された。それぞれのエピソードを積み重ねながらより大きな物語を描き出す壮大な構成力、細やかな描写でドライにアメリカ社会の矛盾をあぶりだすブラック・ユーモアなど、アルトマンならではの作品の魅力はどの作品でも変わることはなく、偉大な足跡を残した。アカデミー賞のほか、ヴェネチア国際映画祭、アメリカ映画協会、アメリカ監督組合、 アメリカ撮影監督協会などで功労賞を受賞している。

STAFF PROFILES

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ジョーン・テュークスベリー (脚本) /JOAN TEWKESBURY (Screenplay)

1936年4月8日カリフォルニア州レッドランド生まれ。幼少からバレエを習い、11歳の時にはバレエ学校を舞台にした仏映画『白鳥の死』(37)をリメイクした「The Unfinished 」(47/ヘンリー・コスタ―)に生徒役の一人として無記名ながら群舞シーンに出演。54年ジェローム・ロビンズ演出・振付によるブロードウェイ・ミュージカル 《ピーター・パン》初演に配役され、ダチョウとインディアンの2役でダンスを披露。その後の巡演にも参加し、60年のTV収録でも演じた。その後、「My Three Sons」(61)、「It’s Man’s World」(62)、「The Long, Hot Summer」(65)といったTVシリーズにエピソード出演しな、ハワード・ホークス監督『男性の好きなスポーツ』 (64)にエレベーターで出会う女性として無記名ながら顔を見せた。その一方、L.A.のリトル・シアターで演出と振付を始めると共に、アメリカン・スクール・オブ・ダンスでダンスを教え、USCで演技、UCLAで映画の講義を行う。

1971年アルトマンの『ギャンブラー』に脚本助手として雇われることとなり、結局は進行係を担当(ジョーン・マグワイア Joan McGuire名義)し、村人としても出演した。『ボウイ&キーチ』(74)ではアルトマンと共同脚本を手がけると共に駅の女性として登場。同作を作るためのハッタリとして カントリー&ウェスタン業界を描いた映画を撮ることを約束したアルトマンはジョーンを単身ナッシュヴィルに送り込み取材をさせて本作の台本を単独で書き上げる。これが評価されLA映画批評家協会賞脚本賞を受賞し、翌年はWGA(全米作家組合)、ゴールデン・グローブ、BAFTA( 英国アカデミー賞)の脚本賞にノミネートされた。なお、無記名だがトムの恋人、ケニーの母の声も担当。

その後、アルトマンの元を離れ、ポール&レナード・シュレイダー脚本による「オールドボーイフレンズ」(78)をタリア・シャイア、キース・キャラディン、ジョン・ベルーシ共演で監督。その後はTV界に移り、キャロル・バーネット主演「The Tenth Month」(79)、ロン・ジョーンズ原作「夏の叫び」(81) 、『新・ヒッチコック劇場』のエピソード『黄金のセダン』(86)、フェイ・ダナウェイ主演「Cold Sassy Tree」(89)、共同製作総指揮も手がけた「Elysian Fields」(89)、事実話を基にした「Sudie and Simpson」(90)、ジョーン・プローライト主演「On Promised Land」(94) 、オリンピア・デュカキス主演「Scattering Dad」(98)といったTV映画や、人気シリーズの『天才少年ドギー・ハウザー』(90-3/3話)、『弁護士シャノン』(91/1話)、『たどりつけばアラスカ』(92/1話)、『フェシリティの青春』(98/2話)、『シカゴ・ホープ』(99/ 1話)を演出。2001年サイモン・ベイカー主演のシリーズ『堕ちた弁護士~ニック・フォーリン~』を3話演出し、翌シーズンよりコンサルティング・プロデューサーとして参加、シーズン3の終わり近い1話で再び演出した。なお、アルトマンの『ザ・プレイヤー』(92)に本人として登場し、 その後もアルトマン関係のドキュメンタリーなどにはコメント出演。また、サンダンス映画祭主催の監督コースの指導なども行っている。

ポール・ローマン (撮影) /PAUL LOHMANN (Director of Photography)

60年代より短編ドキュメンタリーの撮影を手がける。67年はナンシー・シナトラのTVスペシャル「Movin’ with Nancy」の追加撮影も担当。69年「大爆走・地獄のライダー」で映画の撮影監督に昇格し、『フィルモア/最后のコンサート』(72)、『コフィー』(73)などを次々手がける。アルトマンは「 カリフォルニア・スプリット」(74)で起用し、続く本作、『ビッグ・アメリカン』(76)で組んだ。以後は、メル・ブルックスの『サイレント・ムービー』(76)と『新サイコ』(77)を始め、『ホワイト・バッファロー』(77)、『民衆の敵』(78)、『ノース・ダラス40』『メテオ』『タイム・アフター・タイム』(79)、「ルッカー」 「Charlie Chan and the Curse of the Dragon Queen」「愛と憎しみの伝説」(81)、アルトマンの元助監アラン・ルドルフの「真夜中の極秘実験」(82)、ポール・バーテル監督「ラスト・イン・ザ・ダスト」(85)などの映画を手がけ、『ザッツ・ダンシング』(85)では追加撮影を担当した。

TVでは『影なき恐怖』(74)、カレン・ブラック主演『恐怖と戦慄の美女』(75)、『FBI対ギャング・カンザスシチ―の大虐殺』(75)などのサスペンスを多く手がけたが、本作後は傑作ミニ・シリーズ『我が生涯の大統領/ルーズベルト夫人風雪の60年』(76)でエ ミー賞撮影賞受賞。その後も『オリエンタル探偵殺人事件』(80) 、『愛しのジェーン・マンスフィールド』(80)、『炎の砦マサダ』(81)、『明日があるなら』(86)、『エア・パニック1501』(90)、『ダニル・スティール/容疑者』(92)といった作品を撮影した。

リチャード・バスキン (音楽監修・楽曲提供/フロッグ役) /RICHARD BASKIN (Music Supervisor, Songwriter / Frog)

1949年カリフォルニア州パサディナ生まれ。父バートはアイスクリーム・パーラー「Baskin-Robbins」の共同創設者。姉のエディはTV「サタデー・ナイト・ライブ」の初期スティル・フォトグラファー。70年、ティーンの妊娠を描いたウィリアム・A.グレアム監督のTV 映画「Congratulations, It’s a Boy!」で挿入歌を作曲。ミュージャンとして活動を始めると、本作の音楽監修、編曲、作曲、作詞を手がけると共に、ミュージシャンのフロッグ役で出演。続いて『ビッグ・アメリカン』(76)のスコアを担当。アルトマンが製作し、同作の脚本を担当したアラン・ルドルフが監督した本作の L.A.版「ロサンゼルス、それぞれの愛」Welcome to L.A. (76)でセッション・ミュージシャンとして劇中で自作の歌をピアノ弾き語りで披露し、サントラ盤も人気となる。77年3月の全米公開に合わせて企画された『サタデー・ナイト・ライブ』の同映画主演女優シシー・スペイセクのゲスト・ホストの回には映画で歌った 2曲を披露した。その後、短篇映画やTV映画や、ウィリー・ネルソン主演作『忍冬の花のように』(80)などに楽曲提供し、コリン・ヒギンズ作のミュージカルを映画化した「テキサス1の赤いバラ」(82)では音楽コンサルタントも担当。

84年バーブラ・ストライサンドが初めて複数のプロデューサーを招いて作った意欲的なアルバム「エモーション」に2曲参加。その後もバーブラの「ブロードウェイ・アルバム」(85)、特別コンサートを収録した「ワン・ヴォイス」(86)にアレンジャー、プロデューサーとして参加し、バーブラ監督作『ナッツ』の挿入歌の作詞も担当。また、シカゴのアルバム 「シカゴ18」(86)に収録され、シングル・カットされた「ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー?」をプロデューサーのデイヴィッド・フォスターらと共作した。 89年は『フェーム』のディーン・ピッチフォード脚本による音楽映画『ロック・イン・ブルックリン』で監督デビュー 。そ の後はシェールのライブ「Cher… at the Mirage」(90)や「アース・デイ・スペシャル」などにプロデューサーとして参加し、エルトン・ジョンのライブ「A Special Evening with Elton John」(95)を監督した。

CAST PROFILES

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デビット・アーキン(ノーマン)/David Arkin

1941年カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。シカゴの劇団で活動した後、TVや映画に進出。即興的なコメディ役を得意としていた。 『ナッシュビル』は『M★A★S★H』(70)『ロング・グッドバイ』(73)に続いてアルトマン作品の3作目。 主な出演作にロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン主演の『大統領の陰謀』(76)、バート・レイノルズ主演の『キャノンボール』(76)、アルトマンの『ポパイ』(80)があるが1991年、49歳の若さで惜しくも亡くなった。

バーバラ・バックスリー(レディ・パール)/Barbara Baxley

1923年カリフォルニア州ポーターヴィルに生まれる。大学を卒業後ニューヨークで演劇を学び1948年にブロードウェイにデビュー。以後、舞台で長く活躍する実力派。 60年代に出演したテネシー・ ウィリアムスの「調整の期内」ではトニー賞候補にノミネートされた経験を持つ。 エリア・カザンと一緒にアクターズ・スタジオで学んだ経験があり、 「エデンの東」(55)にも出演している。 また、サリー・フィールド主演「ノーマ・レイ」(79)では母親役を演じ、その演技は高い評価を受けた。彼女自身は舞台を愛していた。 1990年心不全のためニューヨークで亡くなった。

ネッド・ビーティ(デルバード・リーズ)/Ned Beatty

1937年ケンタッキー州ルイビル生まれ。19歳で舞台デビュー。ブロードウェイで10年以上活躍した後、ハリウッドへ進出。バート・レイノルズ、ジョン・ヴォイド主演「脱出」(72)で映画デビューを果たす。以後、実力派の脇役として150本以上の映画やTVに出演。 オドニー・ルメット監督の『ネットワーア』(76)では.アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたほか、エミー賞やゴールデン・グローブ賞にも何度かノミネートされるなど、その演技力は高く評価されている。 また日本ではスティーヴン・スピルバーグ監督のブラック・コメディ『1941』(79)に三船敏郎と共演したことも有名だ。 2006年には長年の功績に対し、リバーラン国際映画祭の「マスター・オブ・シネマ・アワード」が授与された。また『トイストーリー3』(10)ではピンクの熊のぬいぐるみロッツォの声を担当している。 主な出演作に『大統領の陰謀』(76)『エクソシスト2』(77)『スーパーマン』(78)『原子力潜水艦浮上せず』(78)『スーパーマン2』(80)『クッキー・フォーチュン』(99)のほか、『刑事コジャック』(73)『ジェシカおばさんの事件簿』(84)『CSI科学捜査班』(07)などTV出演作も多い。 『ナッシュビル』撮影時はカントリー&ウエスタンのシンガーとしても活躍していた。

カレン・ブラック(コニー・ホワイト)/Karen Black

1939年イリノイ州バークリッジ生まれ。15歳でノースウェスタン大学に入学し、2年で卒業したという才媛。ニューヨークのリー・ストラスバーグのもとで演技を学び50年代後半にはオフブロードウェイ...の舞台に立った。 『The Prime Time』(59)で映画デビューを飾ったが、舞台に戻り、再び映画の世界に戻ってきたのは60年代半ばのフランシス・フォード・コッポラ監督の 『大人になれば…』(66)で、この作品の成功をきっかけにテレビでも活躍。 以降『イージーラーダー』(69)、アカデミーにノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞を獲得した 『ファイブ・イージー・ピーセス』(70)などでその才能を開花。 さらに『華麗なるギャツビー』(74)でもゴールデン・グローブ賞を獲得。『エアポート75』(75)『イナゴの日』(76)、そして『ナッシュビル』の後はヒッチコックの『ファミリーブロット』… と大作に連続出演するなど、当時ハリウッドで最も輝いていた人気女優。以降、独立系の映画に出演するなど80年代前半まで精力的に活動していた。

ロニー・ブレークリー (バーバラ・ジーン)/Ronee Blakley

1945年アイダホ州コールドウェル生まれのシンガー。 70年代はボブ・ディランの仕事が多く、「ハリイーン」のバックヴォーカルを務め、ディランの映画 「Renaldo and Clara」(78)ではミセス・ディランを演じた。また75年の「ローリング・サンダー・ツアー」では「I Need a New Sun Rising」を歌う姿 が映画に記録されているほかアルバム『DESIRE』(76)にも参加している。またカントリー/フォーク/ブルースのシンガーソングライターとして2枚のアルバムも残している。 『ナッシュビル』出演のきっかけはアルトマンのもとに自作の曲を売り込みに行ったこと。結局曲だけでなく、彼女自身も俳優として出演することになった。彼女が演じたバーバラ・ジーンはロレッタ・リンがモデルになっている。 2006年、ロサンゼルスのクラブで久々 にライブを開き、往年のファンを沸かせた。

ティモシー・ブラウン(トミー・ブラウン)/Timothy Brown

1937年インディアナ州ナイトストン生まれ。1960年~67年まで、NFLフィラデルフィア・イーグルスの名ハーフバックとして活躍した元フットボール選手。70年にアルトマンの『M★A★S★H』でジャドソン伍長を演じた。

キース・キャラダイン(トム・フランク)/Keith Carradine

1949年カリフォルニア州サンマテオ出身。父親は俳優のジョン・キャラダイン。兄デヴィッド・キャラダイン、弟ロバート・キャラダインとともに俳優一家として知られる。ブロードウェイのミュージカル『ヘアー』に出演後、カーク・ダグラス/ジョニー・キャッシュ主演の『A Gunfight』(71)で映画デビュー。この作品がアルトマン監督の目に留まり『ギャンブラー』(71)に起用され、以降、『ボウイ&キーチ』(74)、『ナッシュビル』(75)とアルトマン作品に立て続けに出演した。70年代はテレビ出演も数多く、また『ナッシュビル』では主題歌「I’m Easy」がアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞の最優秀主題歌賞を獲得、サントラ盤もグラミー賞にノミネートされた。 リドリー・スコット監督の『デュエリスト/決闘者』(77)、ルイ・マル監督の『プリティ・ベビー』(78)、キャラダイン兄弟が共演した西部劇『ロング・ライダーズ』(80)、アラン・ルドルフ監督の『チューズ・ミー』(84)『モダーンズ』(88)など、コンスタントに映画、テレビに出演する傍ら、80~90年代は舞台でも活躍。「Another Part of the Forest」(82)「Detective Story」(84)「Foxfire」(82)「The Will Rogers Follies」(91)などで高い評価を受けた。近年も『ボビーZ』(07)『カウボーイ&エイリアン』(11)などの映画で活躍。息子ケイド・キャラダインや娘ソレル・キャラダインたちもデビューし、今後のファミリー共演なども期待されている。

ジェラルディン・チャップリン(オパール)/Geraldine Chaplin

1944年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。喜劇王チャップリンの長女。スイスで教育を受けた後、ロンドンのロイヤル・バレエ・アカデミー在団中、パリ公演で踊っているところをデヴィッド・リーン監督に見いだされ『ドクトル・ジバゴ』に出演。以後、実力派の女優として活躍する。 チャップリンの伝記映画『チャーリー』(92)では祖母ハンナ役を演じた。スペインの映画監督カルロス・サウラと12年間にわたって交際していたことがあり、彼の作品にも数多く出演している。主な出演作『三銃士』(74)『四銃士』(75)『カラスの飼育』(75)『ウェディング』(78)『愛と悲しみのボレロ』(81)『モダーンズ』(88)『チャーリー』(92)『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(93)『ジェイン・エア』(96)『マザー・テレサ―神の愛した聖女』(97)『トーク・トゥ・ハー』(02)『ブラッドレイン』(06)『永遠の子供たち』(07)『ウルフマン』(10)

ロバート・ドキ(ウエイド)/Robert Doqui

1934年オクラホマ州スティルウォーター生まれ。ラングストン大学で音楽を学んだ後、4年間、空軍へ。その後ニューヨークへ移り、60年代半ばには映画やテレビで活躍。 「スパイ大作戦」をはじめ数多くのTVシリーズに出演したアクターズ・スタジオで演技を学んだ実力派だ。70年代から数多くの出演作があるが、『ロボコップ』シリーズのローレンン・リード曹長役が有名。アルトマン作品はほかに『ビッグ・アメリカン』(76)『ショート・カッツ』(93)がある。 2008年ロサンゼルスで74歳で亡くなった。

シェリー・デュバル(L.A.ジョーン)/Shelley Duvall

1949年テキサス州ヒューストンに生まれる。父親はロバート・デュバル。高校卒業後、化粧品のセールスをしていたが、身内のパーティでアルトマン監督に見いだされ『バード★シット』(70)で映画デビュー。 小枝のように細い肢体と奇抜なファッションが強烈な印象を残す彼女のパフォーマンスがアルトマン監督に大いに気に入られ、以後『ギャンブラー』(71)『ボウイ&キーチ』(74)『ウェディング』(78)『パーフェクト・カップル』(79)『ポパイ』(80)など、アルトマン作品に立て続けに出演した。『ナッシュビル』では狂言回し的な役だったが『ボウイ&キーチ』では日陰の切ない恋に悩むヒロイン、キーチを印象的に演じた。また『三人の女』(77)ではカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞。77年はウディ・アレンの『アニー・ホール』にカメオで登場したり、「サタデー・ナイト・ライブ」のホストを務めるなど、大活躍の年だった。そして80年、スタンリー・キューブリックの『シャイニング』(80)に出演、難しい役柄を体当たりでこなし、彼女の代表作となった。 1994年、カリフォルニアの大地震で自宅が被災し、以来、故郷テキサスで暮らしている。

アレン・ガーフィールド(バーネット)/Allen Garfield

1939年ニュージャージー州ニューアーク生まれ。ニューヨークのアクターズ・スタジオで学び、舞台で活躍。演出家としても腕を振るった。 68年に映画デビュー以来、数多くの映画に出演、様々な役柄を演じた。主な出演作に『ロバート・デ・ニーロのブルーマンハッタン/黄昏のニューヨーク』(68)『フクロウと子猫チャン』(70)、『破壊!』(73)『カンバセーション…盗聴』(73)『コットンクラブ』(84)『ビバリーヒルズ・コップ2』(87)『ナインスゲート』(99)『マジェスティック』(01)など。

ヘンリー・ギブソン(ヘブン・ハミルトン)/Henry Gibson

1935年ペンシルベニア.州出身。幼少のころから子役として舞台で活躍。 63年にジェリー・ルイス主演の映画『底抜け大学教授』で映画デビューした。以後、映画で活躍するだけでなく、『奥さまは魔女』『警部マクロード』『ワンダーウーマン』『爆発!デューク』『トワイライトゾーン』『ナイトライダー』『ジェシカおばさんの事件簿』『冒険野郎マクガイバー』など日本でもおなじみのTVドラマに多数出演。コメディアンとして長いキャリアを誇った。『ブルース・ブラザーズ』(80)ではエルウッド兄妹を執拗に追い回すナチの司令官役、『メイフィールドの怪人たち』(89)ではトム・ハンクス演じる主人公の隣家に越してくる気味の悪い一家の主、『マグノリア』(99)ではバーテンを奪い合うゲイの老人、TVシリーズでは偏屈な裁判官など、クセのある役柄を演じるとき、抜群の巧さを発揮する。『ナッシュビル』のヘブン役ではゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。その他の主な出演作『ケンタッキー・フライド・ムービー』(77)『グレムリン2 新種誕生』(90)『ウェディング・クラッシャーズ』(05)『デス・ルーム』(06)『ビッグ・サタン』(07)。また息子チャールズ・ギブソンは視覚効果のスーパーバイザーとしてハリウッドで活躍、『ベイブ』とジョニー・デップ主演の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞。 2009年9月、ガンのため73歳で逝去。

スコット・グレン(グレン・ケリー)/Scott Glenn

1935年ペンシルベニア.州出身。幼少のころから子役として舞台で活躍。 63年にジェリー・ルイス主演の映画『底抜け大学教授』で映画デビューした。以後、映画で活躍するだけでなく、『奥さまは魔女』『警部マクロード』『ワンダーウーマン』『爆発!デューク』『トワイライトゾーン』『ナイトライダー』『ジェシカおばさんの事件簿』『冒険野郎マクガイバー』など日本でもおなじみのTVドラマに多数出演。コメディアンとして長いキャリアを誇った。『ブルース・ブラザーズ』(80)ではエルウッド兄妹を執拗に追い回すナチの司令官役、『メイフィールドの怪人たち』(89)ではトム・ハンクス演じる主人公の隣家に越してくる気味の悪い一家の主、『マグノリア』(99)ではバーテンを奪い合うゲイの老人、TVシリーズでは偏屈な裁判官など、クセのある役柄を演じるとき、抜群の巧さを発揮する。『ナッシュビル』のヘブン役ではゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。その他の主な出演作『ケンタッキー・フライド・ムービー』(77)『グレムリン2 新種誕生』(90)『ウェディング・クラッシャーズ』(05)『デス・ルーム』(06)『ビッグ・サタン』(07)。また息子チャールズ・ギブソンは視覚効果のスーパーバイザーとしてハリウッドで活躍、『ベイブ』とジョニー・デップ主演の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞。 2009年9月、ガンのため73歳で逝去。

ジェフゴールドブラム(イージーライダー)/Jeff Goldblum

1952年ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ。17歳でニューヨークに移り演劇を学ぶ。ブロードウェイにデビューした後、舞台を見たアルトマンに見いだされ、『カリフォルニア・スプリット』(74)に端役で映画デビューした。続いて『ナッシュビル』に起用、映画俳優として本格的なスタートを切った。 その後、古典から現代劇まで舞台でこなす実力派として多くの映画作品に出演するが脇役が多く不遇の時代が続いた。ブレイクしたのは『ザ・フライ』(86)。ハエと合体してしまう科学者を見事に演じ注目を集めると、以後は『ジュラシック・パーク』(93)『インデペンデンス・デイ』(96)など大作でアウトローの科学者役を演じるなどハリウッドに欠かせない俳優となった。主な出演作に『狼よさらば』(74)『アニー・ホール』(77)『ライトスタッフ』(83)『再会の時』(83)『彼女がステキな理由』(89)『9か月』(95)『17歳の処方箋』(02)『ライフ・アクアティック』(05)『恋とニュースのつくり方』(10)など。

バーバラ・ハリス(アルバカーキー)/Barbara Harris

1935年イリノイ州エヴァンストン生まれ。10代のころからシカゴの劇場で活動を始める。 その後10数年にわたって舞台で活躍、ニューヨークに移ってからも注目され、ブロードウェイの 「THE APPLE TREE」でトニー賞を獲得した。 ブロードウェイの舞台演出家として実力を認められる一方、 『おかしなホテル』(71)『ファミリー・プロット』(76)『movie movie』(78)をはじめ 多くの映画出演作がある。

デビッド・ヘイワード(ケニー・フレイザー)/David Hayward
デビッドのキャリアは1969年、TVから始まった。「アダム12」「オール・マイ・チルドレン」「ボナンザ」「メアリー・タイラー・ムーア」「ペリー・メイスン」「刑事コジャック」「チャーリーズ・エンジェル」「ダイナスティ」「トワイライトゾーン」そして最近では「ER」など、有名TVシリーズにレギュラー出演し、彼の顔をテレビで見ない年はないほどの活躍ぶり。名前は知らなくても顔を見ればわ かる売れっ子俳優だ。 キャリアのほとんどをTVで過ごしているため映画出演は少ないが、『ナッシュビル』ではマザコンのナイーブな青年役で演技巧者ぶりがみられる。
マイケル・マーフィ(ジョン・トリプレット)/Michael Murphy

1938年カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。 UCLAで教員資格を取った後、62~64年にはのロサンゼルスの高校で英語と演劇を教える。 アルトマンとはテレビの「コンバット」時代からの付き合い。以来、『Nightmare in Chicago(TV映画)』(64)『雨に濡れた舗道』(69)『M★A★S★A』(70)『バードシット』(70)『ギャンブラー』(71)『Tanner88(TV映画)』(88)『カンザス・シティ』(96)『Tanner on Tanner(TV映画)』(04)など多くの作品に出演した。ハリウッド俳優としてのキャリアは素晴らしく、ウッデイ・アレンの『マンハッッタン』(79)やポール・マザースキーの『結婚しない女』(78)、ピーター・ウィアーの『The Year of Living Dangerously』(82)、オリバー・ストーンの『サルバドル/遥かなる日々』(86)、トーマス・アンダーソンンの『マグノリア』(99)、ジョン・セイルズの『シルバーシティ』(04)など、心に残る名作でその印象的に残る演技をスクリーンにとどめている。

アラン・ニコルズ(ビル)/Allan Nicholls

1945年カナダ/モントリオール生まれ。俳優であると同時にプロデュース、監督、作曲家、歌手などマルチに活躍する才人。 俳優としてはブロードウェイの「ヘアー」やロサンゼルスの「J・C・スーパースター」に出演して注目を集め、60年代後半から活躍、『ナッシュビル』後も『ビッグ・アメリカン』(76)『ウェディング』(78)『パーフェクト・カップル』(79)『ポパイ』(80)などのアルトマン作品に出演するほか、『スラップショット』(77)『トラブル・イン・マインド』(85)『ボブ・ロバーツ』(92)などに出演。音楽家としては『ナッシュビル』『ウェディング』『パーフェクト・カップル』に曲を提供。また80年代からは制作の仕事もはじめ、89~90年にはassociate directorとして「サタデー・ナイト・ライブ」を担当。『ザ・プレイヤー』(92)『ショート・カッツ』(93)『デッドマン・ウォーキング』(94)などでfirst assistant directorを務めた。2008年には「Moonlight &Mistletoe(TV映画)」に俳優として出演するなど、現在も精力的に活躍している。

バッド・ハミルトン(デイブ・ピール)/Dave Peel

この映画の出演者のなかで実際にナッシュビルの舞台に立ったことのある唯一の歌手。 俳優のフェス・パーカーにスカウトされて『ナッシュビル』に出演した。 主な出演作にTVシリーズ「The Virginian」(67)「Daniel Boone」(68)、映画「Der Bib」がある。

クリスチナ・レインズ(メリー)/Cristina Raines

1952年フィリピン/マニラ生まれ。ファッションモデルから俳優に転向し、『サンシャイン』で映画デビュー。 この映画の成功によって『ナッシュビル』の出演が決まった。 映画では、愛しているのに相手にされない女のむなしさや夫との激しい口論などを印象的に演じた。

バート・レムゼン(スター)/Bert Bemsen

1925年ニューヨーク州ロングアイランドのグレンコーヴに生まれる。父親はニューヨークの警察官。 59年に映画デビュー。撮影中に事故にあい、九死に一生を得たが、俳優の道をあきらめず、しばらくはMGMとFOXのキャスティング部のヘッドとして働いていた。 『バード★シット』のキャスティングを担当していた時、アルトマン監督が彼に役を与え、以降、数多くのアルトマン映画に登場している。テレビや映画のキャスティングの仕事を続けながら俳優の仕事を続けることをあきらめなかったが、歩行訓練の闘病に多くの時間を奪われ、1999年、心臓病で亡くなった。74歳だった。

リリー・トムリン(リネア・リーズ)/Lily Tomlin

1939年ミシガン州デトロイト生まれ。デトロイトのナイトクラブでスタンダップ・コメディをはじめる。ニューヨークに移り、65年ごろからテレビに出演。68~73年、NBCで放映されたコメディ「Laugh-In」で全米に知られるようになった。 69年に発表した「THIS IS RECORDING」でグラミー賞に輝き、さらに活動の幅が広がった。 映画は『ナッシュビル』がデビュー作となった。 77年 『レイト・ショー』でベルリン国際映画祭女優賞を受賞。ほかに舞台ではトニー賞特別賞や女優賞も獲得している実力派。 主な出演作に『9時から5時まで』(80)『オール・オブ・ミー』(84)『ザ・プレイヤー』(92)『ウディ・アレンの影と霧』(92)『ショート・カッツ』(93)『アメリカの災難』(96)『ムッソリーニとお茶を』(98)『キッド』(00)『ハッカビーズ』(04)『ザ・シンプソンズ(声の出演)』(05)『ピンクパンサー2』(09)などがある。

グエン・ウェルズ(スーリーン・ゲイ)/Gwen Welles

1951年テネシー州チャタヌーガ出身。 アルトマン作品は『カリフォルニア・スプリット』に続いて2作目。 アクターズ・スタジオのメンバーで、『ナッシュビル』のようなセクシーな役柄で70~80年代に活躍。 しかし1992年に癌が見つかり、放射線治療を拒んで日々の記録をドキュメンタリーに残し、93年、42歳の若さで亡くなった。

キーナン・ウィン(ミスター・グリーン)/Keenan Wynn

1916年ニューヨーク生まれ。父親はバーレスクやテレビの道化役で活躍するエド・ウィン、母方の祖父はシェイクスピア劇の悲劇役者フランク・キーナン、母親は売れない役者、という芸能一家に育つ。 若いころは父親の道化師のショーに反発し、祖父の足跡を追い求め、30年代にはブロードウェイで頭角を現す。 その後スクリーンテストに合格してMGMと契約。 42年に映画デビューを果たした。40~50年代にはジーン・ケリーやルシル・ボール、キャサリン・ヘップバーン、スペンサー・トレイシ―、クラーク・ゲイブル、カーク・ダグラスなどと共演した。 60年代に父親と一緒にディズニーと契約し、ここでも多くの映画を残した。アルトマンとは60年代から友人関係にあったが、映画出演は『ナッシュビル』が初めてだった。1986年、すい臓がんのため70歳で亡くなっ。

エリオット・グールド(本人)/Elliott Gould

1938年ニューヨーク州ブルックリンに生まれる。ブロードウェイで活躍し、アルトマン監督の『M★A★S★H』で人気を博した。以後、映画、TVと長年にわたって活躍し、これまでに出演した作品は100本を超える。近年も問題作として話題になった『アメリカン・ヒ ストリーX』や大ブレイクした『オーシャンズ』シリーズなどに出演し、ベテランの味を存分に発揮している。プレイベーでは1963年に女優のバーブラ・ストライサンドと結婚し、71年に離婚したことが話題となった。 主な出演作に『ロング・グッドバイ』(73)『遠すぎた橋』(77)『カプリコン1』(77)『マンハッタン・ラプソディー』(80)『バグジー』(91)『ザ・プレイヤー』(92)『ビッグ・ヒット』(98)『アメリカン・ヒストリーX』 (98)『オーシャンズ11』(01)『オーシャンズ12』(04)『オーシャンズ13』(07)など。

ジュリー・クリスティ―(本人)/Julie Frances Christie

父親の仕事の関係(紅茶のプランテーション経営)でインドのアッサム州チュークアで生まれる。母親は画家。 ロンドンの演劇学校で学び、ロイヤル・シィクスピア・カンパニーの舞台に出演した後、61年に映画デビュー。 イギリス映画『ダーリング』(65)でアカデミー主演女優賞を受賞。以後、70年代はハリウッド作品に出演。80年代からイギリスに戻り、イギリス作品を中心に活動。2006年には認知症をテーマにしたカナダ映画、女優サラ・ポーリーの初監督作品『アウェイ・フロム・ハー君を想う』(06)に出演、夫を忘れてゆく認知症の妻の演技が高く評価され、第65回ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)をはじめ多くの映画祭主演女優賞を獲得、第80回アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。プライベートでは動物の権利、環境保護活動、反核主義など70年代から積極的に行動していることで知られる。主な出演作に『ドクトル・ジバゴ』(65)『華氏451』(66)『ギャンブラー』(71)『シャンプー』(75)『天国から来たチャンピオン』(78)『ドラゴンハート』(96)『ハムレット』(96)『トロイ』(04)『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(04)『ネバーランド』(04)『ニューヨーク、アイラブユー』(09)『レッド・ライディング・フード』(11)など。

THEATER

上映劇場と上映スケジュールのご案内
北海道東北関東・甲信越中部・北陸関西中国・四国九州・沖縄
北海道
北海道 札幌市 シアターキノ 011-231-9355 上映終了
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東 北
関東・甲信越
東京 新宿 新宿武蔵野館 03-3354-5670 上映終了
武蔵野市 吉祥字バウスシアター 0422-22-6631 上映終了
世田谷区 下高井戸シネマ 03-3328-1008 上映終了
新宿区 早稲田松竹 03-3200-8698 4月7日
神奈川 横浜市 シネマ・ジャック&ベティ 045-241-5460 上映終了
川崎市 川崎市アートセンター 044-955-0107 近日
川崎市 ザ・グリゾムギャング 044-966-3479 5月12日
高崎市 シネマテークたかさき 027-325-1744 上映終了
中部・北陸
愛知 名古屋市 名古屋シネマテーク 052-733-3959 上映終了
富山 富山市 フォルツァ総曲輪 076-493-8815 上映終了
関 西
大阪 大阪市 シネ・ヌーヴォ 06-6582-1416 上映終了
京都 京都市 京都みなみ会館 075-661-3993 上映終了
兵庫 神戸市 神戸アートビレッジセンター 078-512-5353 上映終了
中国・四国
広島 広島市 サロンシネマ 082-241-1781 上映終了
広島 尾道市 シネマ尾道 0848-24-8222 上映終了
香川 高松市 映画の楽校 090-9452-7229 上映終了
愛媛 松山市 シネマ・ルナティック 089-933-9240 5月26日
九州・沖縄
大分 大分市 シネマ5 097-536-4512 3月24日